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示談チェック2 後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益(後遺症遺失利益)とは

交通事故の被害にあい、後遺障害が認められると、後遺障害逸失利益(後遺症逸失利益)という損害項目を検討することになります。
後遺障害逸失利益(後遺症逸失利益)とは、後遺障害による労働能力の低下または喪失によって生じる収入の喪失です。その収入の喪失分を損害として賠償するのが、後遺障害逸失利益(後遺症逸失利益)の賠償ということになります。
交通事故被害の損害賠償において、後遺障害逸失利益は重要な争点になることが多く、横浜都筑法律事務所の弁護士が担当してきた交通事故案件でも同様です。

後遺障害逸失利益(後遺症遺失利益)の計算方法

交通事故の後遺障害逸失利益を算定する一般的な計算式は次の通りです。
〔後遺障害逸失利益の一般的な計算式〕
   基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間の中間利息控除係数
以下、各要素についてご説明します。

後遺障害逸失利益(後遺症遺失利益)の算定要素

1. 基礎収入

原則として事故前の現実の収入額を基礎とします。
ただし、逸失利益の賠償は将来の長期間の収入の減少を問題とし、その将来の収入を事故前よりも多く見込むべき場合もあります。将来、事故前よりも多くの収入を得られる立証があれば、その金額が基礎収入となります。現実の収入額が賃金統計(賃金センサス)の平均賃金を下回っていても、将来、平均賃金程度の収入を得られる蓋然性があれば、平均賃金を基礎収入とします。
給与所得者(会社員)の場合、逸失利益の基礎収入は、原則的には「休業損害証明書」「賞与減額証明書」や、源泉徴収票により算出します。ただし、比較的若い場合(おおむね30歳未満)、賃金統計(賃金センサス)の全年齢平均賃金を用いるのが原則とされています。
給与所得者のほか、事業所得者や会社役員など、労働形態ごとの基礎収入は、次ページでご説明いたします。

2. 労働能力喪失率

労働能力喪失率とは、後遺障害(後遺症)により労働能力が低下または喪失した割合です。
労働能力喪失率は、後遺障害の等級ごとに目安があり、その目安は次の通りです。

等級
労働能力喪失率
1級 100%
2級 100%
3級 100%
4級 92%
5級 79%
6級 67%
7級 56%
8級 45%
9級 35%
10級 27%
11級 20%
12級 14%
13級 9%
14級 5%

3. 労働能力喪失期間

労働能力喪失期間とは、後遺障害(後遺症)による労働能力の低下または喪失が継続する期間です。
労働能力喪失期間の始期は、症状固定日です。
終期は、原則として67歳とされています。ただし、諸事情により、原則とは異なった判断がされることもあります。
また、むち打ち症の場合は、12級で10年程度、14級で5年程度に制限する例が多くみられます。このため、むち打ち症にとどまらず、他覚症状のある外傷があるのかどうかが後遺障害逸失利益の賠償額算定で重要になってきます。

4. 中間利息控除率

後遺障害逸失利益の賠償は、将来得られるはずだったのに事故によって喪失する収入を、現在受け取るものです。これを現在受け取って銀行などに預けておくと、利息がついて、事故がなかった場合よりも多くの利益を得ることになってしまいます。このため、将来の利息分を差し引いて賠償額を計算するのが、中間利息の控除です。
中間利息の控除は、提唱されている係数を用いて労働能力喪失期間ごとに計算します。
中間利息控除の係数として、ライプニッツ係数と呼ばれるものや、新ホフマン係数と呼ばれるものがありますが、現在はライプニッツ係数を用いる傾向にあります。例えば、労働能力喪失期間が30年の場合、ライプニッツ係数は15.3725となっています。

計算例

さきほど、後遺障害逸失利益の賠償額を算定する一般的な計算式を次の通り申し上げました。
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間の中間利息控除係数
例えば、基礎収入が500万円、労働能力喪失率が14%、労働能力喪失期間が30年であれば、30年の中間利息控除係数(ライプニッツ係数)は15.3725ですから、後遺障害逸失利益は次の通り算出されます。
500万円×0.14×15.3725=1076万0750円

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