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交通事故示談か裁判かの選択

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交通事故示談か裁判かの検討

交通事故の示談交渉において、保険会社が回答してきた賠償額で示談するか、それとも裁判にするかの主な検討内容として、まずは当サイトでご説明している、保険会社の提示に対する示談金チェックがあります。

それとともに、交通事故賠償について裁判(訴訟)にした場合の賠償金増額の予想や、期間・労力・費用・立証の負担などの予想も判断材料として考えられます。
さらに、裁判にすると、裁判所において和解による解決を模索することもできます。そのことも、裁判にせず示談するか裁判にするかの判断材料に加わることが多いです。

交通事故賠償で示談するか裁判にするかについては、以上を総合的に考えて検討します。 

もともと裁判は望まず、示談で終えたいと考えている場合も、その考えの裏付けとして、裁判にした場合との対比は役立つものと思われます。

なお、交通事故の解決方法としては、示談か裁判かに限らず、調停や裁判外紛争解決手続(ADR)も考えられますが、ここでは、裁判にした場合について記載します。

交通事故総合サイトのページもご案内します(クリックで移動します)

裁判による交通事故賠償の増額

交通事故について裁判にした場合の賠償金の増額を検討する要素としては、損害額そのものすなわち損害元金の増額と、これに付加される弁護士費用・遅延損害金の賠償があります。

裁判による損害元金の増額について

交通事故の示談交渉において加害者側の保険会社が上限とする金額が、交通事故賠償の裁判基準(弁護士基準)に見合った金額でない場合、裁判によって認められる事実関係が同じであれば、通常は損害元金の増額が予想されます。

ただし、事案によっては、裁判で出てきた新たな証拠等により、裁判にする前とは異なる事実関係が認められることもありえます。

裁判での弁護士費用・遅延損害金の扱い

交通事故の裁判では、判決において、弁護士費用と遅延損害金の賠償が認められています。これらは、示談で終えれば通常は含まれないものです。

弁護士費用
交通事故の裁判において、判決で認められる弁護士費用の賠償額は、実際に要した弁護士費用ではなく、判決で認定された損害元金の10%程度が一般です。
遅延損害金
交通事故の裁判において、判決では、損害元金に対する事故日から支払済みまでの遅延損害金の賠償が認められています。
交通事故発生から、治療や示談交渉などいろいろと費やした期間をお金に換算するのが遅延損害金ということになります。


裁判による負担

交通事故の被害者の方の多くは、裁判にした場合に追加される期間・労力・費用の負担をご心配なさります。
このほか、損害項目によっては、立証の負担も生じます。

裁判で延びる解決までの期間

交通事故賠償の解決までの期間は、裁判にしたほうが、当然、示談で終えるより長くなります。
裁判は、数か月で終わることもあれば、1年以上かかることもあります。

裁判でのご自身の労力負担

交通事故の裁判を弁護士に依頼すれば、主張・証拠の提出や和解協議の期日には、裁判所へは弁護士が代理人として出頭し、被害者ご自身は出頭せずにすみます。
ただし、被害者の方にも、弁護士との打合せや書類確認などの作業はあります。
また、交通事故の裁判では和解協議がもたれることが多いですが、和解協議が調わない場合、被害者ご自身が裁判所で尋問を受けることがあり、尋問のための打合せも生じます。

裁判で追加される費用

交通事故の裁判で追加される費用としては、裁判所に納める費用その他の実費を含め弁護士費用等を考慮することとなり、この点については、ご相談の際にお話ししております。

裁判での立証の負担について

交通事故の被害者が主張する損害の発生や程度について、加害者が争った場合には原則として被害者が立証しなければ認められないこととされています。
このような立証の負担を、立証責任といいます。
これにより、裁判による期間・労力・費用を増大させることもあります。
(なお、示談交渉においても、立証責任は問題となります)

たとえば、医学的に立証できない受傷や後遺障害を主張しても認められません。
それらが証拠があって認められた場合でも、主張する休業損害や逸失利益などについて、証拠が不十分なため制限されたり否定されたりすることもありえます。
慰謝料も、裁判所が認めた受傷内容や治療状況等によっては被害者の当初主張より減額されてしまうことも起こりえます。

そのように、裁判で立証困難な主張をして、それでも立証を試みようとすると、それなりに期間・労力・費用の追加が生じます。
被害者が改めて病院へ行って証拠を得ようとすると、さらに追加される期間・労力・費用が増え、結局は満足のいく証拠が得られないこともあります。

このため、示談交渉のときに加害者側の保険会社が否定していた損害の発生や程度について、裁判にして主張していこうと考えるうえでは、立証の可能性や、期間・労力・費用との関係を考慮することになります。

なお、人身交通事故において、加害者が無過失を主張する場合は、その立証は加害者がしなければならないこととされています(自動車損害賠償保障法3条ただし書き)。
しかし、実際は加害者が無過失を主張することは多くないです。


裁判での和解

裁判では、判決によらず和解で終える解決方法があります。
以下のページでご説明します。