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交通事故賠償の過失相殺

交通事故の発生や損害の拡大について過失が当事者双方にある場合、それぞれに過失割合が生じます。
そして、双方に過失がある場合、損害賠償は、積算された損害額について、過失割合による過失相殺がされることになります。
 

妥当な過失割合かチェックを

加害者側の保険会社が被害者の過失割合を主張する場合、賠償金の提示において過失相殺の計算が記載されます。
これについて、妥当な過失割合により計算されているか、弁護士によるチェックをおすすめします。


過失割合の認定基準

交通事故の過失割合については、事故態様ごとに、裁判例や法曹関係者の協議により蓄積してきた認定基準があります。
 
その代表的なものとして、東京地裁民事交通訴訟研究会の編集した「別冊判例タイムズ」にまとめられた認定基準があり、類型ごとに基本過失割合を定め、個別事情があれば修正要素として計算する方法で具体的な過失割合を設定しています。
 
出合い頭事故、一方に一時停止規制がある場合、一方が優先道路である場合の、各過失割合のページへ、以下それぞれリンクをクリックしていただければ移動できます。
 
出合い頭事故の過失割合 車同士  

    • 信号機により交通整理の行われている交差点における、直進四輪車同士の過失割合です。 

 
出合い頭事故の過失割合 バイクと車 

    • 信号機により交通整理の行われている交差点における、直進バイク・四輪車の過失割合です。 

 
一時停止規制と過失割合 車同士  

    • 信号機のない交差点で一方に一時停止規制がある場合の、直進四輪車同士の過失割合です。

 
一時停止規制と過失割合 バイクと車 

    • 信号機のない交差点で一方に一時停止規制がある場合の、直進バイク・四輪車の過失割合です。

 
優先道路と過失割合         

    • 信号機のない交差点で一方が優先道路である場合の、直進四輪車同士の過失割合と、直進バイク・四輪車の過失割合です。

 

その他の過失割合の例

上記各リンク先のページに掲載するほかにも、たとえば以下のような過失割合の認定基準があります。 

四輪車同士の追突事故
追突事故の過失割合は、基本的には、追突した側が100、追突された側は0とされています。
ただし、道路交通法24条に違反して理由のないブレーキをかけたことにより後続車が追突した場合、基本過失割合は、追突した側が70、追突された側が30とされています。

  • 道路交通法24条
    • 「車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。」

さらに、現場の状況や速度違反等による修正もあります。

信号機のない交差点における自転車と四輪車との事故
この事故において、交差する双方の道路が幅が同じで、どちらも一時停止規制がなく優先道路でもない場合の基本過失割合は、自転車側が20、四輪車側が80とされています。
これに対し、自転車側に一時停止規制がある場合は、自転車側が40、四輪車側が60で、四輪車側が優先道路の場合は、自転車・四輪車とも50とされています。
さらに、夜間の場合や、自転車の走行態様、児童等・高齢者などによる修正要素があります。

横断歩道上の歩行者と四輪車との事故
青信号で横断歩道の歩行者に、赤信号で進行してきた四輪車が衝突した場合、過失割合は歩行者0、四輪車100です。
これに対し、横断歩道が赤信号、四輪車側が青信号の場合、基本過失割合は、横断歩道の歩行者が70、四輪車が30とされています。しかし、現場が住宅街・商店街等の場合や、歩行者が児童・高齢者の場合など、歩行者側の過失割合を減らす修正要素があります。


過失割合による過失相殺は既払額にも

交通事故で怪我をすると、症状固定までの治療期間中、加害者側の保険会社から、治療費、休業損害、通院交通費などが支払われることが多くあります(必要な手続を経て)。
しかし、被害者にも過失があり、過失相殺後も自賠責保険の上限額を上回る場合、最終的な損害賠償の計算でそれら既払額も過失割合によって過失相殺されます。
この場合、既払額のうち被害者の過失割合に相当する額は、他の未払分の損害賠償に充当されます。
なお、自賠責保険には次のような取扱いがあります。


自賠責の重過失減額

自賠責保険では、過失割合が7割以上(重過失)の場合に、以下の表に記載の割合による減額があります(積算した損害額が自賠責の限度額以上となる場合は、限度額からの減額となります)。
この重過失減額は、表に記載のとおり、過失割合に比べ減額の割合が大幅に小さくなっています。
このため、自賠責保険における減額後の額のほうが、損害総額に対して過失割合により過失相殺をした後の額より高くなることがありえ、弁護士基準よりも自賠責基準で計算したほうがいいということが起こりえます。

過失割合 減額割合
後遺障害
又は死亡に
係るもの
傷害に
係るもの
7割未満 減額なし 減額なし
7割以上8割未満 2割減額 2割減額
8割以上9割未満 3割減額
9割以上10割未満 5割減額

  • ただし、後遺障害及び死亡に至る場合を除き、傷害による損害額が20万円未満の場合はその額とし、減額により20万円以下となる場合は20万円とされます。
交通事故の示談について、さらに具体的には横浜都筑法律事務所の弁護士にご相談ください。