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交通事故示談チェック6 過失割合

交通事故示談チェック6
過失割合

交通事故は過失割合で過失相殺

交通事故の発生や損害の拡大について、過失が当事者双方にある場合、それぞれの過失割合が問題となります。そして、当事者双方に過失がある場合、損害賠償は、積算された損害額について過失割合による過失相殺がされます。
このため、加害者側の保険会社が被害者にも過失があると主張する場合、示談金提示において過失相殺の計算が記載されます。これについて、適正な過失割合により計算されているかチェックする必要があります。

交通事故の過失相殺は既払額にも

交通事故で怪我をすると、症状固定までの治療期間中、加害者側の保険会社から、治療費、休業損害、通院交通費などが支払われることが多くあります(必要な手続を経て)。
しかし、被害者にも過失があり、過失相殺後も自賠責保険の上限額を上回る場合、最終的な損害賠償の計算でそれら既払額も過失割合によって過失相殺されます。 この場合、既払額のうち被害者の過失割合の分は、未払の他の損害について賠償されたものとされます。
なお、交通事故における自賠責保険には次のような取扱いがあります。



交通事故における自賠責の重過失減額

交通事故において自賠責保険では、被害者に7割以上の重過失がある場合に、以下の表のとおり減額があります。積算した損害額が自賠責の限度額以上となる場合は、限度額からの減額となります。
自賠責保険における減額後の額のほうが損害総額に対する過失相殺後の額より高くなることがありえ、弁護士基準よりも自賠責基準で計算したほうがいいということが起こりえます。

減額適用上の
被害者の過失割合
減額割合
後遺障害又は
死亡に係るもの
傷害に係るもの
7割未満 減額なし 減額なし
7割以上8割未満 2割減額 2割減額
8割以上9割未満 3割減額
9割以上10割未満 5割減額

減額適用上の
被害者の
過失割合
減額割合
後遺障害
又は死亡に
係るもの
傷害に
係るもの
7割未満 減額なし 減額なし
7割以上8割未満 2割減額 2割減額
8割以上9割未満 3割減額
9割以上10割未満 5割減額

ただし、後遺障害及び死亡に至る場合を除き、傷害による損害額が20万円未満の場合はその額とし、減額により20万円以下となる場合は20万円とされます。



交通事故の過失割合の認定基準

交通事故の過失割合については、長年にわたる裁判例や法曹関係者の協議により蓄積してきた認定基準があります。
その認定基準の代表的なものとして、東京地裁民事交通訴訟研究会の編集した「別冊判例タイムズ」にまとめられた基準があります。
その認定基準は、当事者(歩行者か、自動車か、バイクか、自転車か)や事故態様などにより基本過失割合を設け、個別事情があれば修正して、具体的な過失割合を設定しています。
たとえば、以下のような認定基準があります。

横断歩道上の歩行者と四輪車との事故
青信号で横断歩道の歩行者に、赤信号で進行してきた四輪車が衝突した場合、過失割合は歩行者0、四輪車100です。
これに対し、横断歩道が赤信号、四輪車側が青信号の場合、基本過失割合は、横断歩道の歩行者が70、四輪車が30の過失とされています。しかし、現場が住宅街・商店街等の場合や、歩行者が児童・高齢者の場合など、歩行者側の過失割合を減らす修正要素があります。

四輪車同士の追突事故
追突事故の過失割合は、基本的には、追突した側が100、追突された側は0とされています。
ただし、道路交通法24条(急ブレーキの禁止)に違反して理由のないブレーキをかけたことにより後続車が追突した場合、基本過失割合は、追突した側が70、追突された側が30とされています。さらに、現場の状況や速度違反等による修正もあります。

信号機のない交差点における自転車と四輪車との事故
この事故において、交差する双方の道路が幅が同じで、どちらも一時停止規制がなく優先道路でもない場合の基本過失割合は、自転車側が20、四輪車側が80とされています。
これに対し、自転車側に一時停止規制がある場合は、自転車側が40、四輪車側が60で、四輪車側が優先道路の場合は、自転車・四輪車とも50とされています。
さらに、夜間の場合や、自転車の走行態様、児童等・高齢者などによる修正要素があります。


認定基準が通用しない場合も

交通事故の過失割合については、認定基準が通用しない場合もあります。
たとえば、車を運転していて他の車に追突すると、認定基準では基本的に過失100となっているのですが、裁判所によって過失0と認定された例があります(つまり、追突された側が過失100)。